イギリスとピアノの出会い
イギリスに最初のピアノが到着したのは1711年でローマに住むイギリス人修道士が作り、イギリス国内に売ったとされている。
しかし、イギリスですぐにピアノ製造が始められるというふうにはならなかった。島国であるイギリスではヨーロッパ大陸の技術が簡単には届かないからである。そのため本格的なピアノ製造が始められるには1760年ごろまで待たなければいけなかった。
1760年、ヨーロッパで七年戦争を逃れ、12人のピアノ技術者がイギリスに渡ってきた。
この中に、ピアノ先進国、ドイツの中でも有数のピアノメーカーであったジルバーマンの工場からも数人混じっていた。彼らをキリストの弟子になぞらえて12使徒ということもある。
その結果、一気にイギリス国内のピアノ製作技術が向上し、イギリス・アクションが発展した。
特にジルバーマンの弟子であったツンペはチェンバロメーカー、バーカット・シュディの工場に雇われた。
さらに偶然にも同じ工場に翌年ジョン・ブロードウッドが雇われることとなったのである。
その結果、イギリスピアノ製造が花開き、19世紀の半世紀はウィーンと並びロンドンがピアノ製作の中心となったのであった。