カワイ(Kawai)

日本におけるピアノの親とも言える、世界に誇る日本のメーカー。

◆カワイの歴史

koichi日本の2大メーカーの1つを作り上げた河合小市(かわいこいち)は、ピアノの改良に尽力した天才エンジニアだった。

彼は11歳でヤマハの創設者であった山葉寅楠(やまはとらくす)の弟子となり、2人は初めての国産ピアノを作り上げたといわれている。

河合は根っからの技術者で頭も良かったが、何より意志の強さと忍耐力があったと言われている。彼は新しい発想が生まれると、それを実現するため工場で寝泊りすることもいとわなかったという。

その成果として国産ピアノアクションを作り出すことにも成功した。

山葉寅楠が1916年にこの世を去った時、彼はすでに日本楽器(現・ヤマハ)内で高い地位となっていた。

しかし、1926年の恐慌の際、日本楽器を辞職し、1927年に彼を慕ってついて来た技術者と共に「河合楽器研究所」を創立した。

技術者の集団であった彼らはすぐにアップライトとグランドピアノを作り、国内外で評価を得て1929年、「河合楽器製作所」と社名を改めた。

その後、太平洋戦争中には工場が全焼したり楽器製作が禁じられるなど苦しんだが、小市の娘婿である河合滋の尽力で建て直し、1955年に小市がなくなったとき、滋は2代目社長となった。河合楽器は技術力に優れた日本的伝統をもったメーカーである。

◆ボストン(Boston)

スタインウェイが1985年にボストンのバーミンガム兄弟に買収された際に、オーナーである兄弟は自分たちの故郷であるボストンの名を冠した新たなブランドを立ち上げた。

このピアノは金額的には日本国産ピアノよりやや高く、他の海外のメーカーよりも安い値段でスタインウェイの設計のピアノという触れ込みで人気を博している。このピアノの製造をしているのがカワイ楽器である。

「同様な価格帯の他のピアノに勝る性能と質の標準化」をかかげたこのピアノはスタインウェイの伝統の木材と河合楽器の研究開発が融合し、スタインウェイとも違ったピアノとなっている。