クララ・シューマンに愛されたグロトリアン=スタインヴェーグのきらびやかな音は今も世界中で愛されている。
◆グロトリアンの歴史
スタインウェイと兄弟のような関係のグロトリアンは、音にこだわり華麗で情感のある音色で人々を魅了し続ける美しい楽器である。
グロトリアンの創始者、ハインリッヒ・シュタインウェヒは英名でヘンリー・スタインウェイ、つまり、スタインウェイ・アンド・サンズの創始者と同一人物である。
彼はナポレオン戦争期の1797年に、ドイツに生まれた。
幾度となく苦難を味わいながら、1839年、ブランスウィックの博覧会にグランドピアノ1台とスクエアピアノ2台を出品し、ゴールドメダルを獲得し、これにより、ピアノメーカーとしての地位を確立した。
グロトリアンは、ヘンリーの木材へのこだわりと、息子テオドールの音響学の知識で音色と音量へのこだわりから、響板やフレームに改良を施した。
当時、彼の作るアップライトピアノは、そこらのグランドピアノをしのぐ音を出すほどだったといわれている。
しかし、ヨーロッパ全体の社会への不安から、スタインウェイ一家は長男テオドールを残し、アメリカへ移った。
テオドールはグロトリアンを守り続けたが、アメリカで父が苦労していることを聞き、弟子であるグロトリアン達に会社を売却した。この時、社名がグロトリアン・シュタインウェヒ(スタインヴェーグ)となったのである。
グロトリアンの音色は多くの人を魅了し、例えばシューマンの妻で当時最高のピアニストの1人であったクララ・シューマンが、生涯愛用し続けたピアノとしても有名である。その伝統は今も生き続けている。
◆グロトリアンと音楽家

グロトリアンはギーゼキングを筆頭に多くのピアニストから支持を受けたが、最も有名なのは作曲家ロベルト=シューマンの妻、クララ=シューマンだと思われる。
クララ=シューマンは当時ヨーロッパを代表する女性ピアニストだった。
その腕前はショパンなどからも支持されるほどの腕前で彼女はコンサートの際にグロトリアンをヨーロッパ中に持ち運び、生涯愛し続けたといわれている。


