ファツィオリは「イタリアの宝石」とも呼ばれる。歴史は浅いものの、手作りにこだわった本物の楽器の製作を続ける現代最高のピアノの一つである。
◆ファツィオリ(ファツィオーリ)の歴史
現在「イタリアの宝石」ともいわれるファツィオリは1978年、家具製造メーカーの息子だったパオロ・ファツィオリによって設立された。パオロは1944年6人兄弟の末っ子としてローマで生まれた。
1969年からローマ大学で工学を学んだ後に、1971年ロッシーニ音楽院でピアノを、ローマ音楽院で作曲を学んだ。そして35歳のときにピアノ工房を家具工場の一角に設立した。
彼はピアノを製造するにあたって、研究からはじめ、自身の知識に加え、兄たちの力も借り、様々な実験を繰り返し、1981年フランクフルトの楽器博覧会に4台のプロトタイプを出品した。
ファツィオリのピアノはストラディヴァリウスがヴァイオリン製造のために使ったとも言われるフィエミ谷のレッドスプルースを響板に使用し、手作りにこだわっている。そのため、年間台数としては80台から100台あまりという少量生産ながら、世界最高のピアノという栄誉を得ている。
また、コンサートグランドもしくはグランドピアノしか作らず、独自の音を求めるその信念は工業製品と呼ばれて久しいピアノ製造において手作りにこだわる姿勢を続ける稀有な存在である。
◆ファツィオリとピアニスト
他のピアノメーカーと比べると後進のファツィオリであるが、1984年頃からアルゲリッチやアシュケナージなど著名なピアニストが弾くようになり、徐々にコンサートホールにも納入されるようになった。
さらに1987年、ブレンデルが演奏旅行で使用したことで大きく取り上げられるようになった。1997年にはウンブリアジャズフェスティバルでも使用され、ハービー=ハンコックやミシェル=カミロなどジャズピアニストからも賞賛されている。
下の動画はFAZIOLIピアノによる演奏です。
◆ファツィオリで録音されたCD・DVD
アンジェラ=ヒューイット3歳からピアノを始め、9歳で初リサイタルという神童ぶりをみせる。ベートーヴェン、ショパン、メシアンなどレパートリーは広く、特にトロント国際バッハ・ピアノ・コンクールに優勝するなどバッハ演奏においては現代最高の一人と言える。ファツィオリファンとしても知られ、DVDによる映像とCDで楽しむことができる。 | |
---|---|
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 1巻&2巻 [DVD] | Piano Sonatas 4 7 & 23 (Hybr) |
スポンサーサイト