音作りに力を注いだブリュットナーは、世界の名器として名を残している。
◆ブリュットナー(ブリュッツナー・ブリュートナー)の歴史
ブリュットナーの創始者、ジュリアス(ユリウス)・フェルディナンド・ブリュットナーは1824年、ドイツで生まれ、1853年にピアノ工場を設立した。
ほぼベヒシュタインと同時代に活躍したメーカーだが、ベヒシュタインがヨーロッパ中を巡って技術を学んだのに対し、ブリュットナーはほとんど外国に出ることはなかった。
ブリュットナーが一流となったのは、彼の耳のよさと、そこから来る音作りによるものといわれている。特に彼が最も苦心したのは高音の音量だったが、彼は、アリコット・スケーリングという3弦の高音弦に4本目を付け加え、共鳴させるシステムによって解決した。
ブリュットナーの作ったピアノは、メンデルスゾーンも指導にあたった、ライプツィヒの音楽院に納入され、その教え子と共に世界中に広まり、名声を確立していった。
第2次大戦後、ブリュットナーは東ドイツの会社となり、社会主義体制の下1972年には国有化されてしまった。冷戦期は西のベヒシュタイン、東のブリュットナーと呼ばれ誉めたたえられていたようである。
1990年、ベルリンの壁の崩壊から再び、創業者の家系に経営権は戻り、現在はジュリアス(ユリウス)のひ孫が経営している。
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◆ブリュットナーの発明~アリコットシステム~
これはアリコットスケーリングとも呼ばれるブリュットナーの最高級のグランドピアノにしかついていないシステムである。
この発明は普通3本の高音部の弦を4本にし、4本めの弦はハンマーに打たれることは無く、共鳴させるためにつけられている。これにより低音部の音量に負けない芳醇な音を出すことを可能にしたのである。ちなみにこのシステムは古くから楽器によっては使われており、それをブリュットナーが初めてピアノに応用したのである。
◆ブリュットナーで録音されたCD
ヴァルター=オルベルツは旧東ドイツのピアニストで、ブリュットナーによる演奏を数多く残してくれています。 | ||
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ハイドン:ピアノソナタ全集 | 歌の翼に~メンデルスゾーン:歌曲集 | モーツァルト:ピアノ三重奏曲全集(2CD) |
ミハイル・プレトニョフは1957年旧ソ連で生まれたピアニストで、1978年にはチャイコフスキー国際コンクール優勝のピアニストです。現在は指揮活動が中心となっています。 |
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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番&第4番 |