●Arthur Rubinstein【1887年1月28日~1982年12月20日】
20世紀の代表的なピアニストの1人であるルービンシュタインは、19世紀の偉大な作曲家であるショパンを生んだポーランドで生まれた。
その生年月日については諸説あり、現在1887年1月28日で落ち着いているが、1886年や1889年、1月や2月というふうに本人自身がインタビューで言ったという情報もあるので困ったことである。
ルービンシュタインはポーランド系ユダヤ人の商人の子供として生まれ、3歳でピアノを習い始め、4歳で既に人前で弾いていたらしい。その才能を買われ、彼はベルリンで学ぶこととなった。
その後11歳でベルリンデビューをした後に、パリへと移った彼にはサン・サーンスから「私の知っている最も偉大な演奏家」と絶賛されたというエピソードが残っている。
ルービンシュタインは聴衆から熱狂的な支持を受けたピアニストであった。しかし、同時にその技巧を前面に押し出した演奏は批評家には受けが悪く、人気と評価が大きく分かれるピアニストでもあった。ルービンシュタインもこれを是正するために努力してようやく解消され始めたのが1937年ごろで、批評家から「6本の手と30本の指の持ち主」という賛辞を贈られたのである。
その後、第2次大戦中はちょうどアメリカにいたため、そのままアメリカ市民となることで迫害をのがれ、その後は若いころの技巧中心の奏法から内的にも充実したまさにマエストロとしての演奏を行った。
彼は1906年から1910年までの4年間、技巧や表現を磨くためコンサート活動を休止し、その後は76年にステージを去るまで精力的に演奏旅行を行った。
また、多くのコンクールの審査員も勤め、数多くの才能を世に送り出した。
ルービンシュタインは故郷であるポーランドの天才ショパンをはじめとし、シューマン、ベートーヴェン、ブラームスやブラジル音楽など、数多くのレパートリーを誇るピアニストで、晩年まで、約70年間に及ぶコンサート歴の中で、技巧の衰えを感じさせなかった。
特に得意だったショパンでは、マズルカやポロネーズなどの民族的音楽において、コクのある深く、上品な表現で定評がある。
また、室内楽においても、多くの作品を残している。
□アルトゥール・ルービンシュタイン 略歴
1887年 ポーランドで生まれる
1897年 ドイツに移住
1900年 ベルリンでデビュー
1906年 以後5年間に渡り演奏活動を休止、修行期間に入る
1936年 来日
1946年 アメリカに帰化
1966年 来日
1976年 コンサートから引退
1982年 ジュネーヴで死去
□アルトゥール・ルービンシュタイン DVD紹介
アート・オブ・ピアノ-20世紀の偉大なピアニストたち- [DVD] 映像で歴史的演奏を見ることができます。 スタインウェイをパデレフスキ、ホフマン、ホロヴィッツ、シフラ、ヘス、ルービンシュタイン、ギレリス、ミケランジェリ、グールドが弾いています。 また、プレイエルを弾き、授業をするコルトーやベーゼンドルファーをバックハウス、フィッシャーが弾いています。 ピアノメーカーは確認できませんでしたが、リヒテル、モイセイヴィチ、プランテも演奏を見せてくれます。 楽器を楽しむだけでなく、伝説の巨匠達を映像で見るチャンスはなかなかありませんので貴重なDVDです。 |
□アルトゥール・ルービンシュタイン CD紹介
Arthur Rubinstein-the Complete Album Collection これはルービンシュタインのボックスですが、驚くべきはその量です。CD142枚とDVD2枚だそうです。これを買えばルービンシュタインの芸術は充分なのではないでしょうか? | |
Chopin: Rubinstein Plays Chopin こちらはルービンシュタインによるショパンのボックスです。おおよその曲はこれでカバーできると思います。またステレオ録音で音質も良いようですので、ショパン好きにはたまらないボックスではないかと思います。 | |
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」&第14番「月光」&第23番「熱情」&第26番「告別」 「ルービンシュタインと言えばショパン」ですが、このベートーヴェンも素晴らしいです。ロマン派のピアニストの直系であるルービンシュタインのピアノはまるで歌っているかのようです。 |
□アルトゥール・ルービンシュタイン 書籍紹介
二十世紀の10大ピアニスト<br>ラフマニノフ/コルトー/シュナーベル/バックハウス/ルービンシュタイン<br>アラウ/ホロヴィッツ/ショスタコーヴィチ/リヒテル/グールド (幻冬舎新書) ラフマニノフ/コルトー/シュナーベル/バックハウス/ルービンシュタイン アラウ/ホロヴィッツ/ショスタコーヴィチ/リヒテル/グールド (幻冬舎新書) 10人の巨匠ピアニストたちの群像劇。CDを聴いてちょっと気になるピアニストのことを知るにはちょうどいいかもしれません。続いて聴いてみたいピアニストが出てくるかも。 |