◇クラヴィコードとは?
クラヴィコード(クラビコード)は「Clavis Chorda」で、「鍵盤のついた弦」という意味の楽器です。
構造としては張られた弦をタンゲンテもしくはタンジェントと呼ばれる金属の棒でたたいて音を出します。
クラヴィコードはその構造上大きな音が出せませんでした。これが後のピアノの発展に結びつくのですが、ピアノにはない面白い特徴がありました。
鍵盤を指で押し、タンジェントが弦にあたった状態で指の力を変えるとビブラートがかかるのです。これはほかの鍵盤楽器にはないクラヴィコードだけの特徴ともいえます。
また、モーツァルトやベートーヴェンの時代にも存在し、彼らも弾いていたといわれています。
クラヴィコードの構造は簡単に書くとこのような構造です。
弦を鍵盤の先についたタンジェントで打つ、単純な構造です。
しかしこの単純な構造ゆえの特徴があります。その一つにダンパーの必要が無いということが挙げられます。
ダンパーは現在のピアノに無くてはならない存在です。ダンパーのあるおかげで弾いた後の音が止まるのです。
しかし、クラヴィコードは弾いていない状態はフェルトによって常に音が止められている状態で、弦にタンジェントが当たった時だけ、フェルトの影響のない部分が現れます。そしてその部分の音が鳴り、当然、タンジェントが弦から離れるということは再びフェルトの消音が効いて音が止まるのです。
またタンジェントの打弦位置から音が出るわけですので、これは同時に打弦位置によって音の高さが決まるという言い方もできます。
クラヴィコードの外枠は単なる木でしかなく、もし、クラヴィコードに現代のピアノと同じ張力をかけると外枠が大きく反り返ってしまいます。逆にいえば、張力をかけられない楽器であり、その分音も小さくなってしまったと言えます。
◆クラヴィコードによる録音
クラビコードはチェンバロからピアノへと移る時期に製作された楽器です。実はモーツァルトなどの時代からあり、スクエアピアノとともにモーツァルトの時代の音楽を考える上で避けては通れない楽器と言えるでしょう。 | |
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クラヴィコードの植物文様 | レオンハルト/クラヴィコード・リサイタル |
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