●Alicia de Larrocha【1923年5月23日~2009年9月25日】
ラローチャは20世紀を代表する女性ピアニストの1人である。
1923年スペインのバルセロナで生まれた彼女は4歳で作曲家のグラナドスが創設したアカデミア・グラナドス(現アカデミア・マーシャル)に入学し、5歳でリサイタルを開き、11歳でオーケストラと共演した。
1940年、17歳からスペイン国内でコンサートを開くようになったが、第2次大戦で中断を余儀なくされる。
戦後は1947年から再び活動を開始し、まずはヨーロッパの主要都市を中心に活動した。
さらに1955年にアメリカデビューを大成功に収めたことでその後は世界中でコンサート活動を行った。
日本でも1967年以来定期的にコンサートを行っていたが、2003年、日本では「さよならコンサート」と銘打たれたコンサートで見納めとなってしまった。
ラローチャはスペインの作曲家であるグラナドス、アルベニス、ファリャなどが得意で、スペイン音楽のプロフェッショナルと言われることも多い。実際、ギター風の部分ではピアノの音がギターのように聞こえることもあったとか。
このようにスペイン音楽の演奏者としても有名なラローチャだが、学校でバッハからドイツロマン派までを多く学び、スペインの民族的な音楽を学んだのは実は18歳以降で独学だったということである。
このため彼女はスペイン音楽はもちろんのことスカルラッティ、モーツァルト、シューマン、ラフマニノフなど多くの作曲家をレパートリーとしている。
従来、手が小さいということだったが、本人のインタビューによると、手はよく開くよう訓練されており、10度も届く、ということである。
また、「ピアノの演奏が生涯をかけた仕事」と明言しており、そのため、練習をしっかりと行い、真摯にピアノに向かった。
残念ながら2009年バルセロナにて亡くなった。
□アリシア・デ・ラローチャ 略歴
1923年 スペイン、バルセロナで生まれる
1928年 5歳でリサイタルを開く
1943年 マーシャルアカデミーを卒業、本格的な活動開始
1955年 アメリカデビュー
1967年 初来日
2003年 コンサートから引退
2009年 死去
□使用メーカー
□アリシア・デ・ラローチャ CD紹介
Alicia De Larrocha - The Complete EMI Recordings 8枚組のラローチャのスペインもの全集。 素晴らしい曲目、スペイン物だけではないラローチャとはいえ、スペインの作曲家の第一人者であることもまた疑いようのないピアニスト、ということで間違いありません。 あとは音質がちょっと良ければバイブル確定なのですが、それを差し引いても充分満足できると思います。 | |
アルベニス:イベリア 全曲 上のEMIよりも10~20年後の70年代の録音ですが、もちろんこちらも素晴らしい録音です。 「スペインの音楽は17歳から独学で」というけれども、やはりスペインの血がフィットするのでしょうか? |