アルフレッド・コルトー

Alfred Denis Cortot【1877年9月26日~1962年6月15日】

ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番「大公」/他 (ティボー/カザルス/コルトー)(1926 - 1927)

 

グレート・ピアニスト・シリーズ/コルトー 1929-1937年録音集

コルトーは1877年フランス人の父とスイス人の母のもとスイスのリヨンで生まれ、幼い時から姉にピアノを学んだ。

パリ音楽院予備科に入学するが、ここではあまり評価は高くなかったとも言われており、この頃、ピアノの演奏をサン・サーンスに酷評されたという話も残っている。

しかし、1896年にパリ音楽院の最高賞である優等賞を与えられた。

彼はピアニストとしてデビューした頃からリヒャルト・ワーグナーの作品に心酔し、指揮者に興味を持つようになる。

バイロイトにて音楽祭の練習ピアニストとなる機会を得たコルトーは間近でワーグナーに接することができた。

そして、ピアニストの活動と並行して1902年からは指揮者としてワーグナー作品を演奏した。

1907年にパリ音楽院の教授になるが、音楽院における専門家養成に異議を唱え、1919年に自分の理想の音楽院であるエコール・ノルマル音楽院を設立した。その後彼は、国内外において教育活動と演奏活動の両方で高い評価を受けた。

しかし、第2次世界大戦後は政治的問題に関わり、フランス国内で演奏できなくなるなど、その偉業と比べると不遇であったとしか言いようがない。

ショパン:エチュード集(全曲)(コルトー)

彼のレパートリーは想像されるより少なく、ロマン派とフランス近代音楽くらいである。

しかし、19世紀の偉大な作曲家と実際に語り合うことができたかれは、その作曲家の思いを受け継ぎ、美しいタッチと豊かな詩情で多くの名演を行った。

その一方、ミスタッチや譜を忘れることが多かったピアニストでもあった。

コルトーは演奏だけでなく教育においても評価される。エコール・ノルマル時代は講演付きコンサートなども行い、彼の講演は非常に人気があったようだ。
 

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また、ショパンやシューマンには「コルトー版」と呼ばれる楽譜があり、その中で演奏のコツなどを教えている。晩年はコンクールの審査員も多く勤め、後進の育成に尽力した。

□アルフレッド・コルトー 略歴

1877年 スイスのリヨンで生まれる
1896年 パリ音楽院で優等賞を得る
1897年 ピアニストデビュー
1902年 指揮者デビュー
1904年 ソシエテ・ナシオナルの指揮者就任
1907年 パリ音楽院の教授となる
1919年 エコール・ノルマル音楽院を設立
1952年 来日
1962年 死去

□使用メーカー

□アルフレッド・コルトー DVD紹介


アート・オブ・ピアノ-20世紀の偉大なピアニストたち- [DVD]
映像で歴史的演奏を見ることができます。
スタインウェイをパデレフスキ、ホフマン、ホロヴィッツ、シフラ、ヘス、ルービンシュタイン、ギレリス、ミケランジェリ、グールドが弾いています。
また、プレイエルを弾き、授業をするコルトーやベーゼンドルファーをバックハウス、フィッシャーが弾いています。

ピアノメーカーは確認できませんでしたが、リヒテル、モイセイヴィチ、プランテも演奏を見せてくれます。

楽器を楽しむだけでなく、伝説の巨匠達を映像で見るチャンスはなかなかありませんので貴重なDVDです。

□アルフレッド・コルトー CD紹介


コルトーのマスター・クラス
コルトーのマスタークラスということですが、残念ながら生徒の弾いている音などは入っておらず、完全なマスタークラスとは言えません。しかし、歴史的な意味はもちろんのこと、全訳も付いておりコルトーの言葉は美しい詩のようです。興味のある方はどうぞ。

Icon: Alfred Cortot
CD7枚組で、ショパンの時代を知るコルトーの音楽を聴くことができます。単にピアノを聴くという以上の感動があります。

ショパン・ライヴ 1950’s
コルトーのコンサートのライブ盤です。これもまた、技術やミスタッチなどはあっても、それ以上にコルトーのピアノを聴くことができると思います。

□アルフレッド・コルトー 書籍紹介


コルトー版 ショパン 12のエチュード Op.10
いわゆるコルトー版と言われる楽譜です。コルトーによる解説や練習法なども載っており、弾くにあたってせっかくですので読んでおきたいものです。コルトー版は他にも12のエチュード Op.25、ワルツ集、ノクターン 第1集、ノクターン 第2集、アンプロンプチュ、バラード Op.23,38,47,52、ポロネーズ、ピアノソナタ 作品35、24のプレリュード、ソナタ 作品58、ショパン 遺作集、マズルカ 第1集、マズルカ 第2集、マズルカ 第3集、スケルツォ 作品20 31 39 54があります。

シューベルトアンプロンプチュ OP.90 (アルフレッド・コルトー版)
コルトー版はショパン以外にも多数出ています。シューベルトは他にアンプロンプチュ OP.142があります。 またリストだと、パガニーニ練習曲集、2つの演奏会用練習曲、ハンガリー狂詩曲 第10番 、愛の夢 全曲/コルトー編 などがあるようです。さらにシューマンも存在するようです。

コルトーのピアノメトード アルフレッド・コルトー著/八田惇 訳・校閲
上級者向けの指の練習教材です。
より完璧を目指す人におすすめです。

二十世紀の10大ピアニスト<br>ラフマニノフ/コルトー/シュナーベル/バックハウス/ルービンシュタイン<br>アラウ/ホロヴィッツ/ショスタコーヴィチ/リヒテル/グールド (幻冬舎新書)
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10人の巨匠ピアニストの生きた時代に焦点を当てたもの。CDを聴いてちょっと気になるピアニストのことを知るにはちょうどいいかもしれません。続いて聴いてみたいピアニストが出てくるかも。
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